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生まれ育った土地の風景、人たちを護りたい

Nikko smoke momiji
​伊藤 洋さん

 猟銃を持ち鬱蒼と緑が茂る山の中を淡々と歩いていく。
彼自身が森と一体化しているかのようだ。

仕掛けた罠を確認し、害獣と分類されている獲物がいれば銃を構えて銃口をのぞき込む。
言葉数は少ないが、自然と真剣に向き合おうとする姿がところどころに垣間見え、彼の山への想いを感じさせる。

山にいることが好きだと気がづかせてくれたのは、父だった。

 

人生に悩み迷っていた時、山に連れ出してくれた。
父はキノコを採ったり、山菜を採ったり、山と共に生きる面白さとともに、山の産物で生計を立てられることを教えてくれた。

そしていつの間にか山の虜になっていたそうだ。

 

「父が愛した山と、そこにある土地の風景を護っていきたい…」

 

尊敬する父が他界してしまった。

思い返してみると、山は小さい時から家族のように当たり前にそばに在り、暮らしの中の一部であった。

この土地がホッとできる理由は、当たり前に存在する山や自然があるからだと、父の他界したあとに気がついた。

 

悲しいことに、里山は荒れ始めている。高齢化が進み、里山を手入れする人手が不足し、害獣が人間界を荒らすようになってしまった。

自分が愛する自然と、この地域を残していきたい。

 誰かが護らなければ、今ある景色、生態系はどんどん崩れていき、人も住めなくなる。近い将来必要とされる存在になると確信し、猟師の道を選ぶに至った。

猟師の傍ら、スモークナッツを自ら制作し販売している。
そもそもスモークは、友人から提案され、軽い気持ちで作り始めた。一方で、害獣として駆除される山の生き物たちの命を無駄なく使いたいという想いもあった。今はセシウムの問題から、販売はできないが、いずれは商品化したいと考え、今もスモーク料理の研究をおこなっている。

 

「Nikko smoke momiji」

彼にとって、momijiには特別な意味がある。

momijiはが生前経営していた整体院の名前である。山を教えてくれた父の想いを常に心に留め、意思を受け継ぐ決意が込められている。

日光では空き家が多く、そこが野生動物の住みかとなっている実態があるようだ。いづれは、使われていない空き家を活用し、様々な人たちが気軽に集まれるようなスペースを作り、日光の山を堪能し、スモーク料理をふるまえる場所を作っていきたいと考えてる。

社会問題を自分事としてとらえ、活動する彼のこれからの活躍に期待していきたい。

​                     取材日:20200810

商品・情報

燻士道HP

https://www.ibushidou.com/

​スモークナッツ提供店舗

sake cafe lab 250 https://www.facebook.com/lab250

㈲登屋本店 https://www.facebook.com/noboruyahonten