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ワインを通して、世界中の人たちが本当に安らげる「日光に」

神山 清和さん
La Campagna Nikko
(ラ・カンパーニャ)


 

旧日光市と旧今市市の狭間に位地する七里(シチリ)

アクセル踏み込んで、坂道をぐっと登った先には日本らしい原風景が目の前にバッと広がる。車を降りると聞こえてくるのは、小川のせせらぎ、野鳥の囀り、草の上を歩く自分の足音。日光に住んでいる人にも、なかなか知られていない場所だ。

周りを見渡してみると均一植樹された木の列。今迄は田畑であったであろうその場所にきれいに並んでいる。

「日光のワイナリーようこそ」出迎えてくれたのは、日光産ワインを作ろうと切磋琢磨している神山清和さん。

日本らしい日光だけじゃない、海外らしい日光もあっていい

 

海外から帰国し、日光へ戻ってくると、以前とは異なる地元の雰囲気に驚愕。

それは「海外の人たちが沢山日光にきている…!」

 

観光にくる外国人は、日本らしさが自然の中に残る日光東照宮を目指して来る人、文化や歴史に触れたい人、日光の自然を体験したくて来る人。様々な想いと期待を込めてこの地にやってくる。
 

神山さんは、海外で食品関係の会社に務めており、そこで食品の加工や販売に携わっていた。

海外での暮らしの中、海外の食卓には必ず「チーズ、ハム、パン、ワイン」の4点セットが昼夜問わずに並んでいるのが当たり前にあることに気づいた。

日本人の食卓に醤油や七味があるように、これが海外の人たちのスタンダードな食事の風景であり、アットホームな風景の一部なのだ。しかし、

 

「日光は世界的に注目されている場所なのに、外国人にとって身近なワインがない」

 

たくさん海外の人たちが興味をもって来てくれる中で、日光らしい海外スタンダードがないのだ。

 

「きれいな水、土壌、環境は整っている。」

そこで神山さんは、海外で学んだ食品加工の技術と経験を生かしワイン造りをする覚悟を決めた。

 

日光らしい葡萄を追い求め、ワイン用の葡萄を植樹して数年。ピノノワール、ソービニヨンブラン、リースリングなど数種類もの葡萄の木を添木し、葡萄が好む土壌や日当たりなどを研究している。

相性がいいのが山ぶどう。山ぶどうは酸味や渋みが強いのが特徴だが、醸造するとコクが出てくるそうだ。

ワインを通して里山の継続に繋げたい

七里のようなのどかな場所は、いずれ荒廃し野生動物に荒らされ消えていってしまう。継続して活用していく仕組みがないといけない。

その一つの手段として、ワイナリーがいいのではなかろうかと考えている。

日当たりが均一になりやすい棚田を活用し、田んぼ以外の使い方として活用していく。水が豊富な日光ならでは、水力発電を行いできるだけ今のままの景色を残していきたい。

いずれ、食の体験、暮らしの体験のできる場所をつくり、それを求めてこの七里に各地から様々な人たちが集まってきてほしい。

 

この場所の名は「La Canpana Nikko」(ラ・カンパーニャニッコウ)

「そのままの自然が残る日光」という意味。

 

日光ワインを楽しむ人たちがスタンダードになる日常を目指し、そのために葡萄の研究をし続ける。

各地域から世界から、飾らない日光の原風景とワインで安らげる場所求めて来てくれる人を迎えられるように。

​取材日:2021.2月~10月

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